三田 三河屋食堂

今日は最悪だ。
仕事の携帯を家に忘れた。
午後に原宿・千駄ヶ谷と商談が有る。
家に帰りつつ携帯を取って、そのまま商談に向かう事にしよう。
こう言う時に港区在住は便利だ。
昼の平日に家の近辺に居ると気持ちが悪い。
生まれた時からこの地なので、近所の人に挨拶される。
何でこんな時間に家に居るの的な顔で。
しかもこの歳で、ちゃん付けで呼ばれる。
恥ずかしいので直ぐに携帯を取り駅に向かいます。
商談までまだ１時間半ある。
飯でも喰うかな。
何にするか迷うが、１軒思い出した。
俺が物心ついた頃には有った店。
店は綺麗になったが、何屋なのかもよく見た事が無かった。
近づくと食堂の看板が！
定食屋だったのか。
この手の店は子供の頃に近所に４〜５件有った。
何せ子供の頃の白金は完全な商業地。
町工場だらけで、特に機械系の工場が多かったので油まみれの人がよく銭湯に居た。
銭湯に行けば庭師や鳶職人だらけで、足の甲から首元までビッシリ入れ墨の入った人達が沢山居た。
銭湯も多けりゃ床屋も多い。
汚れ仕事の人が多い街はこの２つの店が多いのだ。
勿論そんな人達の為の簡易宿泊所も数件有った。
今ではそこがイタ飯屋になっている。
白金はつまらない街になっちまった。
表の看板を見ると豚もつ煮込みの文字が。
とろろとセットの定食か。
これにしよう。
店に入ると先客２名。
席に座ると熱々のお茶が。
もつ煮込み定食とろろ付きを頼みます。
よく見りゃホールのおばちゃんも厨房のおばちゃんも見た事が有る。
ここの人だったのか。
作り置きなのでもれなく到着。
俺の大好きなもつ煮のビジュアルだ。
取り敢えず一口。
あれれれれ！近所に美味い煮込み発見！
かなり濃いめの味付けだがこれは米に合う。
赤味噌と白味噌をブレンドしてるのかな？
甘みは僅かで塩気の方が多い。
そして何より定食の魂である米が美味い。
もつ煮込みは基本もつだけで良いタイプです。
人参や大根入っているのは余り好きではない。
シンプルが一番だ。
もつ煮半分残して米終了。
勿論もう１杯おかわり。
この時初めてとろろをぶっ掛けます。
とろろ御飯をもつ煮込みで喰う。
これは贅沢だ。
あ〜いい店見つけた！
もっと昔から来てりゃ良かった。