この業界は何か集める時に台東区だけで成り立つのが凄い。
昔ながらの産業がいまだに相当ある。
二十五年前と比べたら半減以上したかもしれんが、まだまだ残っている。
そしていつも用意しておいてもらったものを昼に取りに行く。
取りに行った先で美味いものを喰う作戦だ。
台東区は23区で一番小さいのだが、今でも初めての道を曲がってみたら、新たな飲食店を発見したりする。
特に蕎麦屋は多い。
23区で一番高齢な区と言うのもあるだろう。
今日は慣れ親しんだねぎどんに。
ネギ丼が名物なのではない。
店名が「ねぎどん」だ。
由来は分からん。
無料駐車場が2台ある。
今日は1台はタクシーが停まっていて、もう1箇所は空いていた。
車を停めると窓を叩かれる。
「今日お蕎麦と細いうどん終わっちゃった。太いのしか無いけど。」
ねぎどんでは蕎麦しか食べたことがない。
こりゃいい機会なので承諾。
即入店。
今日は天たまうどんにちくわ天を追加で。
客は停めているタクシー運転手1人。
そばを啜っている。
この人で最後の蕎麦だったんだな。
天ぷらを作る係のおばさんはもう知っている限り二十年以上変わらんな。
かき揚げもさっと天ぷら粉に絡めて揚げる。
その頃合いを見て茹で係が麺を投入。
連携が素晴らしい。
かき揚げを盛り付けてちくわ天を二つに切った。
今日初めて知ったが、ちくわ天は揚げると真ん中の穴に天ぷら粉が詰まっているらしい。
これを箸で押し出していた。
確かに詰まっているより開いている方が見た目がいいか。
飯が来た。
うどんは秒で腹が空くが、今日は天ぷらで腹をもたす作戦。
まずは汁を飲む。
真っ黒の汁がだ甘味が強く醤油は尖ってない。
うどんを啜る。
上品なうどんだ。
二度茹でではないのでコシもある。
かき揚げは砕いて少しずつ汁につけて喰う。
サクサク感を楽しむのだ。
玉ねぎと春菊と人参。
甘い。
純粋な野菜の甘みだ。
ちくわ天は今日の夕方まで腹をもたせるためのおかず。
ちくわはそのままでも焼いても揚げても美味い。
万能食だ。
天ぷらだけで腹がいっぱいだ。
もう客は俺だけ。
ご馳走様を言い外に出ると店主が居た。
挨拶をすると「今日はお蕎麦なくてごめんなさいね。」と。
無いお陰で今まで食べてこなかったうどんが食べれたと、逆にお礼を言っておいた。
そして車で出るまで見送ってくれる店主。
良い店だ〜〜。
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