浅草橋 カミヤ

月末の穏やかな金曜日。
昼に連絡が入る。
とあるバッグデザイナーを辞めて、他の会社に行ったデザイナーから。
仕事で相談したい事があるので、会社が終わってから浅草橋に来たいと。
金曜日の夜。
このパターンは前の会社の時と同じ、商談後飲みにいきましょうパターンだな。
会社で４０分ほど商談。
この後ヒマか聞いたら大丈夫だと。
若き女性をあまり長居もさせられないのでサッと飲もう！
前と同じホルモン屋で良いか聞いてみた。
快諾。
では店に。
ホルモンは流石に申し訳ない。
でも女性が好きそうな串以外のメニューが沢山有る。
金曜のカミヤだがコロナの影響か空いている。
まず金宮ボトルを取り席に。
デザイナーには気を使いレモンを塊でもらう。
塩昆布キャベツを注文。
女子力を上げておく。
さて。俺の注文するか。
その時「シロ頼んで良いですか？」
何と！
シロ好きか！？
もちろん喜んで！
じゃぁホルモンじゃんじゃん頼むわ。
俺も金宮一気飲み。
今週も〆た。
明日もどうせコロナで引きこもりだろ。
飲んだ飲んだれ！
前の会社の時はいつも同期の子と一緒に来てくれた。
もう１人居りゃ更に盛り上がるだろうと連絡。
既読にならん。
もう２０時だから家帰ったか？
暫くしたら連絡が入り会議中だったらしい。
今から千駄ヶ谷からすっ飛んで来ると。
このデザイナーとは今週一緒に工場に行って足立市場で刺身定食喰った。
多分今週は、会社の人より俺と飯喰ってる方が多いだろうな。
そして金宮もついに家に入れたと言っていた。
洗脳成功だ。
この２人が揃うと面白い。
もう８年近く仕事したり飲みに行ったりしているが、年齢もダブルスコアーに近いので、娘の様に可愛がっている。
もう１人も合流。
さぁ！揃った！
飲み直しだ！
もちろん金宮で。
俺は基本注がない。
客でも上司でも女でも。
金宮は自分で注がせる。
女が一升瓶を持っている姿は絵になる。
毎回面白がって写真を撮るが、見返したことは一度もない。
こうして早く帰らせてあげようと思いつつ終電まで付き合わせる下請けからのパワハラぶり。
翌朝お礼のラインと共に、マッドマックス２のヒューマンガスの写真が送られてくる。
イカレデザイナーだ。
でもマッドマックスを擦り込んだのも俺だった。