岩本町 おやじ

バーチーが気付かれないように立ち上がる。

俺は忙しいので見て見ぬふり。

スーパーイーグルさんから「おやじか？」と指摘される。

ご名答の様だ。

２人で向かった。

俺は忙しく今終わらせたい仕事があるのだが、い今喰わなくても結局後で喰う。

俺も今喰っておこう。

同行する。

３人でおやじに向かう。

会社から７～８分。

歩くにはちょうどいい季節。

緊急事態宣言下だが人は多い。

店に到着。

ぞろぞろと親父が出てくる。

結構な頻度で来ているが、女性２人組とかは見たことが無い。

会社の親父に無理やり連れてこられた感のあるＯＬ１人のパターンが多い。

今日も空いていた。

席に座り「ミックス刺し頭でっかち酢飯」を注文。

二郎の「アブラカラミマシ、ニンニクマシマシ」が呪文だとすると、こちらは念仏だ。

席に注文のプレートを置かれると、厨房に大声てオーダー。

後は待つだけなのだがほぼ毎回問題がある。

注文を間違えるのだ。

白米と酢飯の間違いがダントツで多い。

俺らだけでも３回に２回は間違えている。

１日トータルすると結構な数じゃないか？

米をよそい直すだけなので直ぐに来るので問題ないのだが。

今日も見事に間違えた。

直ぐに酢飯に差し替えられる。

いただきます！

いつも思うのだがここの赤身は本当に赤い。

回転ずしとかの赤身が色が薄いのは赤身でも部位が違うのか？

ここのは真のマグロの味がする。

酢飯も艶がある。

彩の為と思われるタコも新鮮で美味い。

わさびも擦りおろしで沢山つけても無駄に辛くない。

スーパーイーグルさんとバーチーと３人で来ると今や俺が一番喰うのが遅い。

バーチー何かは飲み込んでいるとしか思えない速さ。

年取るごとにこの店の美味さがひしひしと伝わってくる。

まさに親父の為のおやじ。