山下町 山東

まさかの中華街で営業！
俺の客ではない。
ベニテングダケの客だ。
奴も入ったばかりなので俺がお付き合い営業。
場所は中華街のど真ん中。
メインの通りの丁度中心。
慎重なベニテングダケは１７時の商談に１５時半に会社を出る。
早くねぇか？
俺はやる事山積みなので、遅れて１６時１０分に出た。
客先着いたのは１７時ピッタリ。
危ねえ所だった。
新規遅刻する所だった。
商談は店の中で。
こんな所にも俺等の仕事は有るのか〜。
ニッチだな〜。
一時間を予想していたがまさかの２０分で終了。
浦和在住のベニテングダケは前から直帰すると言っていた。
俺は柔術に行きたい所だが、かみさんからまさかの娘達のお迎え命令。
俺の金曜は死んだ。
後は２０時半までに迎えに行けば良いのだ。
飯でも喰って帰るか〜？
ベニテングダケに聞いたら喰いましょうと。
よし！でもリサーチしてない。
以前フジテレビのザ・ノンフィクションと言う番組で横浜中華街のセロリ餃子の奮闘記を見た事が有った。
セロリは嫌いなのだが無性に喰いたくなった。
それを思い出してスマホが無い俺はベニテングダケに調べさせる。
出て来たらしい。
店は中華街北部の外れ。
向かってみた。
店の前に爺さんが座っている。
聞いてみたらセロリ餃子の店だと。
店の名は山東。
よっしゃ〜！入店〜！
未だ１７時半。
もの凄い罪悪感。
先ずは生ビールで乾杯。
俺はセロリ餃子で！
ベニテングダケは五目チャーハン。
何だか足りないので見ていると・・・あった！
鳥もみじが有ったぞ〜！
それも注文。
先ずは鳥もみじが来た。
俺の大好物。
中国に行くと必ず喰う。
甘めに煮たもの。
真っ白だが半端無く辛いもの。
塩っぱい物。
ここのは薄甘く煮ている。
これの何が良いって、誰も手を付けない事だ。
独り占め出来る。
コラーゲンの塊だぜ。
骨の周りの軟骨も口の中でこそぎ取る。
余った骨は口から出す。
中国に行くと老若男女これを喰って店の床に骨を吐き出す。
綺麗な女もそれをする。
ここでやったら張り倒されるな。
案の定ベニテングダケは八角の匂いがすると言ってギブアップ。
チャーハンが届いたのでそれを喰わせる。
そしてお目当てのセロリ餃子到着〜！
見事な緑色！
緑色の塩っぱい喰い物喰うの、ヤクルトのメルビオラーメン以来だ。
何も漬けずに一口。
お〜！美味い！
セロリの感じはしないが、肉汁が半端無い。
つけダレが特製なのだが、ココナッツ醤油なのだがこれもかなり良い。
セロリが好きでは無い俺でもこれなら５０個喰える。
喰い終わると１８時半。
良い金曜日じゃないか〜！
帰りにベニテングダケが「さすがに良い店知ってますね〜。」と。
そう思うでしょ？
でも違うんだよ。
家帰って調べたらセロリ餃子は違う店だったんだよ。
龍膳って店だった。
まぁ良い方に転んだか？
そんな事も奴は知るまい。