銀座 D-Heart Man

仕事が終わらん！

これで終わった〜！と思ったら修正を依頼された。

器用貧乏なのでイラストレーターを扱える。

客に任せりゃ良いのだが、自分でやってしまう。

あ〜今日は柔術間に合わんよ。

会社にはもう誰も居ない。

客とLINEで修正点を確認しつつ修正。

これを数箇所やり取り。

もう２２時半だよ。

なんとか最終のデーターを送った。

送り終わって他の仕事をしていたらその客から電話が。

また修正か？

「まだお仕事してらっしゃいます？」

「はい。まだ終わらないです。」

心の声：してるに決まってんだろうが！

「今食事していますので、宜しければこれから来ませんか？」

「えっ！？良いんですか？」

心の声：何の食事か知らんが。良いもの喰わせろよ！

聞けば場所は銀座。

もう既にいるので終わったら来てくれと。

場所は客の事務所のすぐ近く。

銀座６丁目。

店を探すが良く分からん。

有った！

ビルの上の方。

浅草橋じゃ２階以上に店は無いもんな。

ここを上るのか。

俺には敷居が高い。

入ってみたら高級なバー。

調べたら銀座に７店舗。

そんなに銀座でバーって需要あるの？

奥の席に客は既に２人来ていた。

挨拶をして座ると、遅くまで働かせて申し訳ないとお礼を言われた。

いやいや。

お金もらってんで。

好きなもの飲んで食べてくれと。

では空きっ腹にハイボールを。

ちなみにウイスキーは聞いたことない奴。

俺の様な人間には二度と会う事の出来ないスモーキーな一杯。

食べ物を適当に頼んでくれた。

お客は女性２人で１人は飲んでいるが、社長は下戸なのでフルーツジュースを飲んでいる。

申し訳ないけど、ここは遠慮もしない。

カルパッチョが美味ぇ〜！

俺の様な庶民はメバルしか喰った事ないけど何の魚だろう？

オードブルのオリーブがいつも食べているのと全然違うぞ。

仕事の話をしながらハイボールをグビグビ。

お変わりがどんどん来る。

多分良い製法で蒸留されているのであろうか、全く酔わない。

お腹が空いただろうと、カツサンドとエビカツサンドまで頼んでくれた。

いくらするんだ？

この店値段書いてないぞ？

でも美味いカツサンドだわ〜。

エビカツも更に美味い。

疲れが吹き飛んできた。

時間は既に１時半。

もう終電はとっくに無い。

貧乏性の俺はタクシーに乗らないで歩いて帰ろう。

皆で１階に降りる。

他の階のクラブの着物着たお姉様方が帰りを送っている。

銀座らしい光景だ。

コロナ前が戻りつつある。

さぁ歩こうとしたら、家までタクシーで送ってくれる客。

心の中で罵声を浴びさせ申し訳ない。

今後も馬車馬の如く働きます。