新橋 立呑屋

今日は集まりが有る。
スーパーイーグルさんとＨ社のＦ部長。
仕事の付き合いも有る。
でもこの３人は既に３４年の付き合い。
俺は４３年の付き合い。
もう会わなくても分かる。
勿論喋らなくても分かる。
全て心がお見通しなのだ。
この３人で飲む時は何か有る時だ。
先にスーパーイーグルさんと新橋に。
F部長は日の出桟橋で展示会が終わり次第来る。
先に店に入る。
俺もF部長も港区。
スーパーイーグルさんは品川区。
ほぼ知らない土地は無い。
東京生まれの東京育ちの生粋だ。
新橋は庭みたいなものだ。
小学校４年からゲーセン通いをしていた。
その４０年後に夜の新橋で酒を飲んでいるとは。
どこに入っても通り名言えば辿り着くだろう。
俺に店を選べと言うので店構えから入店。
立呑屋。
今風の店がつけそうな名前だが、老舗だと感じた。
おっ！くたびれたおっさんばかり！
これは当りだ！
よっしゃ〜！俺もくたびれるぞ！
２人を告げて奥の立ち呑み席に。
後から１人来ると告げる。
飲み物はハイボール。
おつまみは煮込みと味付けねぎのりを。
来たぞ！
新橋の親父が好む栄養と彩り一切無視の煮込みが。
喰ってみる。
そこそこ臭ぇ〜〜！
これよ！
本当の煮込みは。
奇麗過ぎると喰った気にならん。
やはり少し臭い位の方が好きだ。
そしてもの凄く気になる味付けねぎのり。
おもむろに喰ってみた。
はい！合格〜。
これぞつまみ！
もの凄く美味い！
ねぎと味付け海苔がタレまみれ。
これは美味い！
酒の友だ！
ねぎが大好物の俺にとってはご馳走中の御馳走。
日本の飲み屋に蔓延して欲しい。
帰ったら家で作ろう。
やきとん屋に入ると、必ず最初に頼むのはシロのたれ。
これでこの店の串のレベルが分かる。
５点満点で３点！
可も無く不可も無く。
但し山椒で喰わすとは粋な計らいだ。
いかとんびも１本頼んでみた。
いかの口だ。
メガラスとも言う。
子供の頃にこの味は覚えた。
味と言うか食感だ。
これ最高〜〜。
ここでF部長到着。
「お〜！久し振り〜！」とかは無い。
スーパーイーグルさんが「遅ぇよ！お前！」
こんな感じだ。
大体展示会が８時までなのに８時に来れる訳が無い。
でも怒られる。
理不尽極まりないのだ。
取りあえず酒頼んで乾杯だわ。
ベーコントマトとコンビーフチーズを追加。
ここでカウンター下がサラリーマン専用バッグの素晴らしい受けになっていると気付く。
客思いだわ。
意匠登録取っといた方が良いよ。
暫しおかわりを続けて話しをすると、どうも愚痴っぽい。
俺も最近しみったれているが、その５倍愚痴っぽい。
確かに俺等４９歳は微妙な年齢だ。
でもここを乗り越えたらバラ色だろ。
今はまだ土留色だ。
珍しくと言うか、こいつが会社の愚痴言うの初めて聞いたわ。
俺なんか四六時中言ってるから、酒飲んでも出やしない。
これも問題だが。
カニの甲羅にかにグラタンも来て、これが意外に美味い事に気付く。
しして腰痛持ちのスーパーイーグルさんから、座れる店に移動と言う指令が。
良い足りなさそうなので、もっと吐かせよう！