浅草橋 中華楼

昼少し前。

会社に飯に行く奴が居ない！

出遅れれば俺が留守番になる。

そんな昼は嫌だ。

最後の要である女子社員の仲間に入れてもらった。

どこ行くのか聞いたら大まかに中華だと。

どことは決めてないらしい。

一番近所は中国菜 仁。

美味いのだが店が小さいので直ぐに満席になる。

行ってみたらアウト！

もう気持ちは次に向かっているようだ。

お次は中華楼。

会社の忘年会や歓迎会で何度もお世話になっている、上流階級専門中華。

俺はいつもヒエラルギーの底辺に居るので十八番か大勝軒だ。

俺が勝手に思っているだけだが。

いつも昼時にここを通ると１０人ぐらいが並んでいる。

でも今日は珍しく無し。

すんなり入れた。

何だか今日は良い店に来て女性二人と昼飯だわ。

年に一度有るか無いかだ。

二人とも慣れているのでさっと頼む。

しかもライス半分で。

ちゃんと喰わんと１７時半まで保たんよ。

俺はねぇ・・・・迷う。

滅多に来ないので良いのが喰いたい。

店員が気を遣って「本日のおすすめは麻婆茄子麺です。」と。

麺か〜〜。

ヤバいこれ以上ダラダラやると優柔不断男だと思われる。

店員に「麻婆茄子麺は丼にも出来ます。」

「それで！」

俺の体内時計では優柔不断男認定まであと３秒だった。

危ない所だった。

俺の丼から到着。

見た目が上品だわ。

食べてみる。

辛さ控えめの麻婆茄子。

茄子の料理は本当に何でも好きだ。

味もさることながら食感も好き。

ただ悲しいかな家では全く出ない。

俺の外食のみで味わえる野菜。

茄子は何しても美味いな。

女子社員は飯喰い終わっても時間まで全く席を立とうとしない。

俺もそれに便乗して喋りまくってみた。

あ〜面白かった。

俺には人生で数度しかない昼のスローフードだった。

中華楼はさすが生き残っているだけある。

浅草橋も中国人の中華屋が１０年ほど前に一気に猛威を振るったが、一気に衰退した。

デルタ株のような感じだな。