八重洲 三六

煮込みが喰いたい。

今俺に第２５次煮込みブームが来ている。

俺が２０代の頃はどの飲み屋に行っても煮込みは必ず有った。

だがどこもマズい。

無駄に根菜を入れやがる。

にんじんに大根に牛蒡。

これが入っている時点で失格。

見た目だけではなく、味も期待できなくなる。

もつ煮込みが基本だが、その内牛スジ煮込みなるものまで関西から出てきた。

一時期揺れ動いたが、もつ煮のパワーには勝てず完敗。

俺もたまたま港区に住んでいたので、子供の頃は品川、田町、浜松町の山手線の外側にいっぱい沖仲士が居た。

この人達の喰う専門の店が品川と田町の間の旧海岸通りに密集して５軒ほどの店があった。

もつ屋ばかりだ。

いつか喰おう喰おうと思っていたら無くなってしまった。

煮込みも絶滅危惧飯になってきつつある。

何せ男しか喰わない。

その男も半分ぐらいは喰わない。

そりゃ新たに増えるわけないわな。

先日の煮込みの時に目星をつけておいた店に。

場所は八重洲。

江戸時代に住んでいたオランダ人のヤン・ヨーステンの名前から、やよす河岸になり八重洲。

丸の内の反対側に名前残せる外国人ってすげ〜よな。

そんな地下街に。

子供の頃は王様のアイデアと言う不思議な店があり、ただ見に来るだけだがチャリでよく来た。

学生時代は八重洲目の前のヤンマービル集合のバススキーツアーに５０回ぐらい行っている。

八重洲は馴染み深いのだ。

地下に降りたら物凄く綺麗な真っ直ぐの道が３本。

そこに店が沢山。

結構個人商店が多いのが好き。

その一軒に三六発見。

今日はここの煮込みを喰らう。

表４人待ち。

もつの赤だし どて煮込み定食に決定。

店員に告げ暫し待つと席に。

３分程で飯が到着。

お〜〜！これだ！

今日も見た目は満点。

味は大体想像がつく。

米に味噌汁にお新香に小鉢。

どて煮は大きめ。

中に豆腐と煮玉子が。

そして余計な野菜は確認できず。

これは良いぞ。

もつをすくい上げ一口。

超美味ぇ〜！

これだよこれ！

以前芦屋でこれに似たのを喰ったな〜。

今度芦屋の社長に聞いてみよう。

八丁味噌って美味いよな。

どて煮の為に有る様な味噌だ。

おからを一口喰い味噌汁を飲む。

味噌汁も赤味噌だ。

豆腐と玉子はさほど染みてない。

全部染みてたら飽きるもんな。

おかわり自由だが、とても喰えそうもないな。

完食〜〜〜。

超満足だわ。

でも何か喰ったことある味だな。

何だ？

きつねやだ！